電車の中やお昼に立ち寄った飲食店、忙しい時のオフィスなど、社会人が居続ける空間はどこでも様々な音であふれかえっています。
そんな時に困るのが、一緒にいる人たちとの会話です。同僚などと会話をしていても、なぜだか周囲の音が気になってしまって相手の会話内容が頭に入らなくなってしまうことがあります。
今回は、ADHDの人の悩みの一つである「会話の聞き取りづらさ」についてをり下げつつ、どんな解決策があるかを紹介していきます。
問題:ADHDにとって、雑音と会話の存在感は同じ!?
結論から言うと僕たちADHDを抱える人々にとって、雑音は他の人の声と同じくらいの存在感を持ち、彼らの意識を奪ってしまう大きな課題となっています。この状況は、人間関係の構築や維持において障壁となり得ます。
特に、集中力があまり保てていないときは、ADHDの特性である不注意の影響が強くなり、雑音と自分の聞くべき音の区別すら困難になることがあります。
皆さんも経験があるかもしれませんが、私がこれまでインタビューをしてきた人たちからは、こんなエピソードを教えてもらいました。
「オフィスで別のチームが忙しそうにしているとき、そちらの会話の声が同僚との会話よりも気になってしまい、集中していないと思われてしまった。」
「上司と電車で移動中、上司といつもの声量で雑談をしているのに電車の走る音でかき消されてしまう状態が続いたので、しばらくは愛想笑いとそれっぽいリアクションで乗り切りました。あれは気まずい…。」
「飲み会は、大人数の空間になればなるほど話を聞き取れなくなってコミュニケーションが成り立たなくなるので苦手です。でも、3~4人くらいで飲むくらいなら楽しめるんです。」
皆さん、声が聞き取れなくなってしまうというシンプルな理由でいろいろ苦労されているようです。
ちなみに僕も、少し声の小さい上司との仕事では聞き返しまくりの毎日で、なかなか神経をすり減らしています。。。笑
解決策:理解してもらいつつ、自分でも工夫しよう
ADHDの雑音による人間関係の問題を改善するためには、以下の改善策を試してみることが有効です。
- 聞き取りが苦手なことについて、理解の共有
- 自分の特性や困難を相手に伝え、協力をお願いすることで、理解を得ることができます。ADHDを無理に打ち明けなくても、「騒がしい中で人の声を聞き取るのが少し苦手なんです」と伝えるだけでも、理解してもらうことができます。相手が自分を誤解していると感じた場合は、適切なタイミングで説明を行うことが大切です。
- コミュニケーションの補助手段
- 仕事中の聞き返しが問題となる場合は、相手とのコミュニケーションを補助する手段を活用しましょう。例えば、仕事の相談においてはいつでもメモを取ると、人の話に集中しやすくなります。僕個人としても、この方法だと会話が頭に残りやすく、何より相手に聞く姿勢を示せるので、聞き返しをしても嫌な顔をされることが格段に減りました。
まとめ
ADHDを抱える人々にとって、雑音は集中力の欠如や人間関係の希薄化につながる課題です。しかし、急に雑音をすべてカットするといった方法は残念ながらなさそうです。なので、相手に配慮をお願いしつつ、自分もその分精一杯聞く姿勢でいることが、私たちADHD持ちにとって円滑なコミュニケーションを続けるカギになります。
自身の特性を受け入れながら、周囲とのコミュニケーションを丁寧に進めていきましょう。
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